大腸がん

大腸がんとは?
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大腸がんは、大腸の粘膜から発生するがんです。日本では年々患者数が増加しており、男女ともに多くみられるがんの一つです。

早期の大腸がんは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
一方で、早期に発見できれば治癒が期待できるがんでもあります。

そのため、症状がない場合でも、40歳を過ぎたら定期的に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受け、早期発見・予防に努めることが大切です。

大腸がんの原因・リスク
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大腸がんの発症には、さまざまな要因が関係していると考えられています。

  • 加齢(50歳以上でリスクが高まります)
  • 食生活(脂肪分の多い食事や赤身肉・加工肉の過剰摂取など)
  • 喫煙や過度な飲酒
  • 運動不足
  • 大腸ポリープの存在
  • 家族に大腸がんの方がいる場合

大腸がんが発生する仕組み
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大腸がんは、いくつかの過程を経て発生しますが、主に2つの発がん経路が知られています。

① ポリープを経てがんになる経路(腺腫→がん化経路)

もっとも一般的な経路で、腺腫性ポリープが時間をかけて大腸がんへ進行するタイプです。
腺腫性ポリープは、初期には自覚症状がほとんどなく、ゆっくりと大きくなります。ポリープの大きさや形、数によっては、がん化のリスクが高まることがあります。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)では、これらのポリープを早期に発見し、切除することが可能であり、大腸がんの予防につながる重要な経路です。

② ポリープを経ずに発生する経路

一方で、明らかなポリープを形成せず、大腸の粘膜から直接がんが発生する場合もあります。このタイプの大腸がんは、比較的短期間で進行することがあり、早期には症状が出にくいのが特徴です。
このため、症状がなくても定期的に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが、早期発見のために重要となります。

大腸がんの症状Colorectal Cancer-04

大腸がんは、初期にはほとんど症状が出ません
進行すると、次のような症状がみられることがあります。

  • 血便、便に血が混じる
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 便が細くなった
  • 腹痛や腹部の張り
  • 原因不明の体重減少や貧血

これらの症状がある場合は、自己判断せず、お早めに当院へご相談ください。

大腸がんの診断・検査
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大腸がんの診断には、いくつかの検査を組み合わせて行います。
症状の有無や検診結果に応じて、適切な検査が選択されます。

便潜血検査

便潜血検査は、便に混じった目に見えない血液を調べる検査です。健康診断や大腸がん検診で広く行われており、体への負担が少ないのが特徴です。
ただし、便潜血検査は大腸がんを確定診断する検査ではなく、出血をきたす病変の可能性を調べるスクリーニング検査です。陽性となった場合は、精密検査として大腸内視鏡検査が必要になります。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。
大腸がんやポリープの有無、病変の大きさや形、位置などを詳しく確認することができ、大腸がんの診断において非常に重要な検査とされています。

検査中にポリープが見つかった場合は、必要に応じてその場で切除することが可能です。また、がんが疑われる病変に対しては、組織の一部を採取(生検)し、詳しい検査を行います。

病理検査(組織検査)

内視鏡検査で採取した組織は、顕微鏡で詳しく調べる病理検査を行います。

この検査により、がんなのかどうか、また、がんであった場合にはその性質を詳しく調べることができます。確定診断には病理検査が不可欠です。

画像検査(CT検査など)

大腸がんと診断された場合や、進行が疑われる場合には、CT検査などの画像検査を行います。
これにより、がんの広がりやリンパ節転移、他の臓器への転移の有無を調べ、治療方針を決定するための重要な情報を得ることができます。

その他の検査

必要に応じて、血液検査や腫瘍マーカー検査を行うことがあります。ただし、腫瘍マーカーは早期がんでは上昇しないことも多く、補助的な検査として用いられます。

大腸がんの分類についてColorectal Cancer-06

分類の意義

これからご紹介するTNM分類やステージ分類は、

  • 治療方針(内視鏡治療・手術・抗がん剤など)
  • 予後(治療後の見通し)

判断するうえで非常に重要です。
同じ大腸がんでも、ステージによって治療内容は大きく異なります。

1.TNM分類

TNM分類は、以下の3つの要素を組み合わせて大腸がんの進行度を評価します。

T(原発腫瘍:Tumor)

がんが大腸の壁のどこまで深く入り込んでいるかを示します。

  • Tis:粘膜内にとどまるがん(上皮内がん)
  • T1:粘膜下層まで広がる
  • T2:固有筋層まで広がる
  • T3:大腸の壁の外側近くまで広がる
  • T4:周囲の臓器や腹膜に及ぶ
N(リンパ節転移:Node)

周囲のリンパ節への転移の有無や数を示します。

  • N0:リンパ節転移なし
  • N1:1~3個のリンパ節に転移あり
  • N2:4個以上のリンパ節に転移あり

2.ステージ(病期)分類

TNM分類を組み合わせて、ステージ0~IVに分類されます。

ステージ状態の目安
ステージ0がんが粘膜内にとどまる(早期がん)
ステージIがんが腸の壁にとどまり、転移なし
ステージII腸の壁を越えるが、リンパ節・遠隔転移なし
ステージIIIリンパ節転移あり
ステージIV肝臓・肺などへの遠隔転移あり

大腸がんの治療
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大腸がんの治療は、がんの進行度(ステージ)、発生部位、患者さんの全身状態などを総合的に判断して選択されます。
早期がんに対しては内視鏡治療、進行がんに対しては手術、薬物療法(抗がん剤治療)、放射線治療などが行われます。

内視鏡治療

早期の大腸がんで、がんが粘膜内または浅い粘膜下層にとどまっている場合には、内視鏡による切除が可能です。
開腹手術を行わずに治療できるため、身体への負担が少ないという利点があります。

ただし、切除後の病理検査の結果によっては、リンパ節転移のリスクが高いと判断され、追加の手術が必要となる場合があります。

内視鏡治療には、主に以下の3つの方法があります。

コールドポリペクトミー
方法

主に小さな大腸ポリープに対して行われ、通電を行わずにワイヤー状の器具でポリープを切除します。

適応
  • 主に小さな大腸ポリープ(腺腫)
  • がん化の可能性が低いと判断される病変
特徴
  • 出血や穿孔のリスクが低い
  • 処置時間が短く、身体への負担が少ない

※切除した組織は病理検査を行い、がんが疑われた場合には、追加治療を検討します。


内視鏡的粘膜切除術(EMR)
方法

比較的平坦なポリープに対して行われ、病変の下に生理食塩水などを注入して盛り上げ、スネア(輪状の器具)をかけて切除します。

EMRは、比較的小さな病変に対して行う内視鏡治療であり、当院でも実施しています。

ただし、以下のような場合には、より専門的な治療が可能な医療機関をご紹介することがあります。

  • 病変が大きく、一括切除が困難な場合
  • 出血や穿孔のリスクが高いと判断される場合
  • 病変の形態や部位から高度な技術が必要と考えられる場合

患者さんの安全を第一に考え、適切な医療機関と連携して対応します。


内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
方法

比較的大きなポリープに対して行われ、専用の電気メスを用いて粘膜下層を丁寧に剥離し、病変を一括で切除します。

ESDは、高度な技術と慎重な全身管理が必要な治療法であり、合併症のリスク管理も重要となります。
そのため当院では、ESDが適応と判断された場合には、ESD治療を専門に行っている医療機関へご紹介しています。

紹介先では、病変を一括切除することで正確な病理診断が可能となり、再発リスクを低く抑えた治療が行われます。

手術療法

手術療法は、進行大腸がんの治療の基本となる治療法です。
がんを含む腸管と、周囲のリンパ節を切除します。

  • 腹腔鏡手術
  • 開腹手術

がんの部位や進行度によっては、一時的または永久的にストーマ(人工肛門)を造設することがあります。

薬物療法(抗がん剤治療)

薬物療法は、主に以下の目的で行われます。

  • 術後補助化学療法(再発予防)
  • 切除不能がんや再発がんの治療
  • 手術前にがんを小さくする目的

使用される抗がん剤には、

  • 細胞障害性抗がん剤
  • 分子標的薬
  • 免疫チェックポイント阻害薬

などがあり、がんの性質や遺伝子変異の有無に応じて選択されます。

放射線治療

放射線治療は、主に直腸がんに対して行われます。

  • 手術前にがんを小さくする目的
  • 手術後の再発予防
  • 痛みや出血など症状を和らげる目的(緩和治療)

抗がん剤治療と併用して行うこともあります。

当院の治療方針Colorectal Cancer-08

専門医療機関との連携

ESDなどの高度な内視鏡治療や、専門的な外科治療・抗がん剤治療・放射線治療が必要な場合には、連携医療機関と協力しながら、適切な治療を受けていただけるよう支援いたします。
紹介後も、治療経過の確認やその後のフォローアップを行い、患者様が安心して治療を受けられる体制を整えています。

さいごに
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大腸がんは、早期に発見できれば内視鏡治療で治癒が期待できる病気です。
一方で、自覚症状が出にくく、症状が現れたときには進行していることも少なくありません。

定期的な内視鏡検査は、大腸がんの早期発見・早期治療につながるだけでなく、
がんになる前のポリープを切除することで予防にもつながります。

「症状がないから大丈夫」と思わず、便通の変化や血便が気になる方、40歳を過ぎた方、過去にポリープを指摘されたことがある方は、
ぜひ一度内視鏡検査をご検討ください。

当院では、患者さんの不安に配慮しながら、安全で丁寧な内視鏡検査を心がけています。
大腸がんの早期発見・予防のため、気になる症状がある方や検査を受けるべきか迷われている方は、お気軽に当院へご相談ください。