IBD(炎症性腸疾患)とは?IBD-01
IBD(Inflammatory Bowel Disease:炎症性腸疾患)とは、腸に慢性的な炎症が起こる病気の総称で、
主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つが含まれます。
下痢や血便、腹痛などの症状が続くことが特徴で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら経過することが多い病気です。
IBDは長期的な治療と定期的な検査・フォローが重要ですが、近年は治療薬の進歩により、
症状をコントロールしながら日常生活を送ることが可能になってきています。
下痢や血便などの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、必要に応じて大腸カメラ検査などで原因を確認することが大切です。
「下痢が長く続いている」「血便がある」「若い頃から腹痛や下痢を繰り返している」など、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
IBDの主な症状
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IBDでは次のような症状がみられることがあります。
- 下痢が続く
- 血便がある
- 腹痛や腹部不快感
- 便に粘液が混じる
- 体重減少
- 発熱や倦怠感
これらの症状が続く場合は、早めの受診をおすすめします。
IBDの原因IBD-03
IBDの明確な原因は、現在のところ完全には解明されていません。
遺伝的要因、免疫異常、腸内細菌、食事や生活環境など、さまざまな要因が関与して発症すると考えられています。
当院のIBD外来についてIBD-04
IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)は、専門的かつ継続的な診療が重要な病気です。
当院では、総合病院でIBD専門外来に携わってきた医師が、診断から治療、経過観察まで一貫して対応しています。
また、IBD診療体制の構築にも携わり、学会発表や研究会への参加を通して、日々進歩するIBD診療の知識と技術の習得に努めてきました。
IBDは長く付き合っていく病気だからこそ、「安心して継続的に通院できること」が大切だと考えています。
当院では、5-ASA製剤、ステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤、JAK阻害薬など、IBDに対する幅広い治療に対応しています。
また、自己注射製剤やレミケード®などの点滴治療にも対応しており、患者さまの病状やライフスタイルに合わせた治療選択をご提案しています。
継続的な診療や定期的な大腸カメラ検査を通して、症状のコントロールや再燃予防、長期的なフォローアップに努めています。
次のような方もご相談ください。
IBDで通院しているが、通いやすい通院先を探している
生物学的製剤・分子標的治療薬について相談したい
現在の治療や症状についてセカンドオピニオンを希望している
症状が落ち着いているが、定期的なフォローを受けたい
IBDで治療中の患者さまが安心して日常生活を送れるよう、継続的な診療とサポートを行っています。
また、潰瘍性大腸炎・クローン病はいずれも指定難病(特定疾患)であり、条件を満たせば医療費助成を受けられます。
当院では、難病申請に必要な診断書作成や手続きのサポートにも対応しています。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。
潰瘍性大腸炎IBD-05
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、主に血便や下痢、腹痛などの症状がみられます。
炎症は直腸から連続して大腸へ広がることが特徴で、症状が落ち着く時期(寛解)と悪化する時期(再燃)を繰り返すことがあります。
クローン病IBD-06
クローン病は、消化管のどの部分にも炎症が起こる可能性がある病気で、特に小腸や大腸に多くみられます。
腹痛、下痢、体重減少などの症状がみられることがあり、炎症が腸の深い部分まで及ぶことが特徴です。
IBDの治療IBD-07
IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)の治療は、炎症を抑えて症状を改善させること、
そして再燃を防ぎ、寛解(症状が落ち着いた状態)を維持することを目的に行います。
病気の活動性や病変の広がり、患者さまの状態に応じて治療法を選択します。
薬物療法
IBD治療の中心となる治療です。
炎症の程度や病状に応じて、以下のような薬剤を使用します。
① 5-ASA製剤(アミノサリチル酸製剤)
腸の炎症を抑える基本的な治療薬で、潰瘍性大腸炎では第一選択となることが多い薬です。
軽症〜中等症の治療や再燃予防に広く使用され、内服薬のほか、坐薬や注腸製剤を使用することもあります。
主な薬剤
- サラゾピリン®
- ペンタサ®
- アサコール®
- リアルダ®
② ステロイド製剤
炎症が強い場合に使用される薬で、比較的速やかに炎症を抑える効果があります。
主に寛解導入(症状を落ち着かせる治療)を目的として使用されます。
長期使用では副作用が問題となるため、症状が落ち着いた後は減量・中止を目指します。
主な薬剤
- プレドニン®(プレドニゾロン)
- ゼンタコート®(ブデソニド)
- レクタブル®(ベクロメタゾン)
③ 免疫調整薬(免疫抑制薬)
免疫の働きを調整することで腸の炎症を抑える薬です。
再燃を繰り返す場合や、ステロイド減量が難しい場合などに使用されます。
主な薬剤
- イムラン®(アザチオプリン)
- アザニン®(アザチオプリン)
- ロイケリン®(メルカプトプリン)※IBDでは保険適応外
④ 生物学的製剤・分子標的治療薬
炎症に関わる特定の分子や免疫経路を標的として作用する薬剤です。
主に中等症〜重症のIBDを中心に使用されますが、病状によっては早期から導入されることもあります。
近年は治療選択肢が大きく広がっています。
点滴製剤・自己注射製剤・内服薬などがあり、患者さまの病状やライフスタイルに合わせて選択します。
抗TNFα抗体製剤
- レミケード®️(インフリキシマブ)
- ヒュミラ®️(アダリムマブ)
- シンポニー®️(ゴリムマブ)
抗インテグリン関連製剤
- エンタイビオ®️(ベドリズマブ)
- カログラ®️(カロテグラストメチル)
抗IL-12/23抗体製剤
- ステラーラ®️(ウステキヌマブ)
抗IL-23抗体製剤
- スキリージ®️(リサンキズマブ)
- オンボー®️(ミリキズマブ)
- トレムフィア®️(グセルクマブ)
JAK阻害薬
- ゼルヤンツ®️(トファシチニブ)
- リンヴォック®️(ウパダシチニブ)
- ジセレカ®️(フィルゴチニブ)
S1P受容体調節薬
- ゼポジア®️(オザニモド)
- ベルスピティ®️(エトラシモド)
栄養療法
特にクローン病では、腸を休ませて炎症を抑える目的で栄養療法が行われることがあります。
栄養剤を中心とした治療(経腸栄養療法)を行うことで、腸への負担を減らしながら栄養状態の改善を図ります。
手術療法
薬物療法で十分な効果が得られない場合や、以下のような合併症が生じた場合には手術が検討されます。
- 腸閉塞(狭窄)
- 膿瘍や瘻孔
- 大量出血
- 薬物治療でコントロールできない炎症
必要に応じて、連携医療機関と協力しながら治療を行います。
定期的な内視鏡検査
IBDでは、炎症の状態や治療効果を評価するために、定期的な内視鏡検査が重要です。
また、長期間の炎症により大腸がんのリスクが高くなることがあるため、定期的な検査による早期発見も大切です。
当院では、定期的な大腸カメラ検査による炎症評価や経過観察にも対応しています。







