機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは?Functional Dyspepsia-01

機能性ディスペプシアとは、胃痛や胃もたれなどの症状があるにもかかわらず、
内視鏡などの検査を行っても明らかな異常がみつからない状態を指します。

最近、胃もたれや胃痛、胸やけ、げっぷなどの症状が続いているにもかかわらず、
検診や胃カメラ、腹部エコーなどで異常を指摘されなかった方は、機能性ディスペプシアの可能性があります。

機能性ディスペプシアの原因は?
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機能性ディスペプシア(FD)は、様々な要因が互いに複雑に影響しあって発症につながっていると考えられています。
特に注目されているのが、ストレスや不規則な生活による自律神経の乱れです。

1. ストレスや自律神経の乱れ

日常生活でのストレスや不規則な生活によって自律神経が乱れると、胃腸の働きに影響します。

  • 胃腸が知覚過敏となり、正常に動かなくなる
  • 胃酸分泌のバランスが乱れ、胸やけなどの症状につながることがある
  • 胃の知覚が敏感になり、通常では気にならない刺激でも痛みや不快感を感じやすくなる
  • 脂っこい食事で症状が出やすくなる

2. ピロリ菌感染

ピロリ菌の除菌により、症状が改善することがあります。


3. 感染性胃腸炎

感染性胃腸炎のあとに、胃の働きが乱れて発症することがあります。


4. 生活習慣
  • アルコールの多飲や喫煙
  • 不眠や不規則な食生活

これらにより、胃腸の働きや感覚が乱れやすくなります。


5. 体質・形態的要因
  • 遺伝による発症しやすさ
  • 胃の形態(瀑状胃など)が関係する場合

機能性ディスペプシアの症状Functional Dyspepsia-03

機能性ディスペプシアでは、胃や上腹部にさまざまな不快感が現れます。主な症状には以下のようなものがあります。

1. 胃もたれ・膨満感
  • 食後に胃が重く感じる、満腹感が長く続く
  • 食欲がわかないこともある

2. 胃痛・上腹部の痛み
  • 鈍い痛みや張り、キリキリとした痛みを感じる
  • 食事の前後で痛みが強くなることもある

3. 胸やけ・胃酸の逆流感
  • 胸のあたりが熱く感じる
  • 胃酸が喉まで上がる感じがする

4. げっぷ・吐き気・嘔吐感
  • 食後にげっぷが増える
  • 吐き気やむかつき感がある場合もあります

5. 食欲不振や早期満腹感
  • 少量の食事でもすぐに満腹になる
  • 食欲が低下してしまう

機能性ディスペプシアの診断・検査Functional Dyspepsia-04

機能性ディスペプシアは、症状があるにもかかわらず内視鏡検査や画像検査で異常が見つからない場合に診断されます。
そのため、まず器質的異常がないことを確認することが重要です。

症状や状態に合わせて必要な検査を組み合わせ、総合的に診断します。

問診(症状の確認)

  • 胃もたれ、胃痛、胸やけ、げっぷなどの症状の有無や出るタイミングを確認します。
  • 食事や生活習慣、ストレスとの関係も調べます。

身体診察

  • お腹の触診や痛みの部位を確認し、他の病気の可能性がないかチェックします。

内視鏡検査(胃カメラ)

  • 胃や食道の粘膜に炎症や潰瘍、がんなどの異常がないかを確認
  • 機能性ディスペプシアは、過敏性腸症候群を合併することが多いといわれています。 便秘や下痢で慢性的に悩まされている場合、大腸カメラも検討していきます。
  • 必要に応じて粘膜の一部を採取して組織検査(生検)を行うこともあります。

胃がんや胃潰瘍など、症状の原因となる病気を除外するためにも、胃カメラは重要な検査です。

画像検査(腹部エコーやCT、レントゲンなど)

  • 胆石や肝臓・膵臓などの病気がないか確認します。
  • 当院では腹部エコー、CT、レントゲンを揃えており、院内で検査が可能です。

血液検査

  • 貧血や炎症の有無、肝機能異常などを確認し、他の病気が隠れていないか調べます。

ピロリ菌検査

  • 胃炎や胃潰瘍の原因となるピロリ菌感染の有無を調べ、除菌治療が必要かどうかを判断する検査です。

心電図検査

  • 胸やけや胸部不快感の原因が心臓に関係していないか確認するために行います。

機能性ディスペプシアの治療Functional Dyspepsia-05

機能性ディスペプシアの治療は食後の胃もたれや腹痛などの自覚症状を和らげることが中心で、
完治を目指すというよりも生活の質を改善することが重要となってきます。

症状の種類や程度によって治療法を組み合わせ、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行います。

生活習慣の改善

  • 食事はよく噛んでゆっくりと摂る
  • 脂っこい食事や刺激物(アルコール・カフェイン・香辛料など)を控える
  • 規則正しい生活リズムを心がける
  • 十分な睡眠とストレス管理を行う

薬物療法

  • 胃酸を抑える薬(酸分泌抑制薬)
    胃痛や胸やけ、胃もたれの改善に用いられます
  • 胃の動きを整える薬(消化管運動改善薬)
    胃もたれや膨満感を改善するのに役立ちます
  • 漢方薬
    胃の不快感や食欲不振などに合わせて使用されることがあります
  • 抗不安薬や抗うつ薬(低用量)
    ストレスや自律神経の乱れによる症状に有効な場合があります

精神的ケア・ストレス対策

ストレスや緊張が症状を悪化させることがあるため、リラクゼーション法や趣味、運動などで心身のバランスを整えることも大切です

当院での機能性ディスペプシアへの対応Functional Dyspepsia-06

機能性ディスペプシアは、日常生活のストレスや自律神経の乱れが大きく関わっている病気です。
しかし、仕事や生活の環境を劇的に変えることは難しく、ストレスを完全になくすことも難しいため、治療が長引くことがあります。
当院では、消化器症状だけでなく、その背景にあるストレスや不安にも目を向けながら、必要に応じて心療内科的なサポートも行っています。
機能性ディスペプシアでは、症状が強く出て職場や学校に行けなくなることも少なくありません。
そのような場合には、医師が一定期間の休養が必要と判断した際、休職や療養のための診断書を作成することも可能です。

症状や生活上の不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
お一人おひとりの症状や生活背景に合わせながら、治療やサポートを行っております。