咽頭の場所と役割
Pharyngeal Cancer-01
咽頭とは
咽頭は、鼻の奥から食道の入り口につながる「のどの奥の空間」 のことを指します。咽頭は、鼻や口から入った空気と、口から入った食べ物や飲み物が通るいわゆる“交差点”のような場所です。
空気は気管へ、食べ物は食道へと振り分けられ、呼吸と食事の両方に欠かせない重要な役割を果たしています。
咽頭の役割
- 呼吸:鼻や口から入った空気を気管・肺へ送る
- 嚥下(えんげ):口から入った食べ物や飲み物を食道へ運ぶ
- 免疫:扁桃(へんとう)などがあり、病原体から体を守る
咽頭がんについて
Pharyngeal Cancer-02
咽頭は大きく3つの部分に分かれ、それぞれに特徴があり、がんの起こりやすい部位も少しずつ異なります。
1. 上咽頭(じょういんとう)
- 場所・特徴
-
- 鼻の奥にある部分で、アデノイド(咽頭扁桃)が存在します。
- 上咽頭は奥まった位置にあるため、胃カメラでは十分に観察できない場合があります。
- 原因・リスク
-
- 上咽頭がんの原因は不明な部分も多いですが、喫煙・EBウイルス(ウイルス感染)・過度の飲酒が関与する場合があります。
- 症状
-
- 初期はほとんど症状がなく、病状が進行してから、耳の奥の痛みや首のリンパ節の腫れで見つかることがあります。
- 鼻づまり、鼻出血、耳の詰まり感などが出ることもあります。
- さらに進行すると、目の障害や脳の障害が起こる場合があります。
2. 中咽頭(ちゅういんとう)
- 場所・特徴
-
- 口の奥(扁桃や舌の付け根)がある部分で、食べ物と空気の両方が通ります。
- 原因・リスク
-
- 中咽頭がんは、喫煙・飲酒に加え、近年ではヒトパピローマウイルス(HPV)感染(ウイルス感染)が原因となるケースが増えています。
- 症状
-
- のどの違和感、飲み込みにくさ、声のかすれ、口内のしこりなどがみられます。
- 進行すると、痛みや嚥下障害や呼吸障害が出ることがあります。
3. 下咽頭(かいんとう)
- 場所・特徴
-
- 咽頭の一番下、食道の入り口にあたります。
- 胃カメラでは観察可能な部位ですが、下咽頭の奥や喉頭周囲は見えにくい場合があります。
- 食道や喉頭(こうとう:声帯のある部分)につながり、食べ物や飲み物の嚥下に大きく関わります。
- 喉頭にできたがんは「下咽頭がん」とは区別され、喉頭(こうとう)がんと呼ばれます。
- 原因・リスク
-
- 下咽頭がんは、喫煙や飲酒との関わりが強いがんです。
- 症状
-
- 初期は症状がでにくく、進行してから見つかることがあります。
- 主な症状は飲み込みにくさで、その他、声のかすれ、のどや耳の痛み、血痰が出ることがあります。
- 進行すると、嚥下障害、呼吸障害が起こる場合があります。
咽頭がんの診断・検査Pharyngeal Cancer-03
咽頭がんの診療科は耳鼻咽喉科(頭頸部外科)が基本ですが、
発見のきっかけとなるのは、上部内視鏡検査(胃カメラ)である場合もあります。
胃カメラでつらい経験をされた方の多くは、
「オエッ」となる嘔吐反射を思い出されるかもしれません。
咽頭には刺激に敏感な部分があり、反射が強いと観察が難しくなることがあります。
当院では鎮静剤を使用し、苦痛の少ない内視鏡検査を心がけております。
「検査がつらそうで心配…」という方も、どうぞ安心してご相談ください。
咽頭がんの治療Pharyngeal Cancer-04
万が一、当院で咽頭がんが見つかった場合の対応について
当院で検査の結果、咽頭がんの可能性がある場合には、
耳鼻咽頭科や大学病院、がん専門病院と連携し、
必要な精密検査や治療を迅速に受けられる体制を整えております。
紹介手続きや検査の調整まで丁寧にサポートいたしますのでご安心ください。
さいごにPharyngeal Cancer-05
咽頭がんは、初期には症状が少なく、気づきにくいことがあります。
一方で、早期に発見できれば、治療の選択肢が広がる可能性があります。
当院では、胃カメラ検査の際に咽頭部まで丁寧に観察し、異常が疑われる場合には、
耳鼻咽頭科や大学病院、がん専門病院と連携しながら適切に対応いたします。
のどの違和感や飲み込みにくさ、声のかすれなど気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。







